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ヴァナ・ディールにおけるデジタルデバイド

出張続きでログインできないので埋め草のつもりで書いたネタが予想外に長くなったので折りたたみ。いつものことだろうというつっこみは却下しますよ(´・ω・`)。

2週間ぐらい前にはじまるぞーというアナウンスがあって、一部メディアでは6月15日開設と言われていたのにいっこうに始まる気配がないリンクシェルコミュニティβ版の話です。
とりあげようかと思いつつ不明な点があったのでモノを見てからネタにしようかと今まで寝かせておいたんですが、結局10日以上経っても未だに分からないままなのでもう書いてしまいますけど、

これ、パソコン無くても使えるんですかね?

公式サイトには「インターネットに接続できればどこからでも」って書いてあるんですが、GameWatchの記事にはPC使えることが前提みたいなことも書かれていて、どうもはっきりしない。

以前猫の中の人が遊んでいたUltimaOnlineは、そもそもプラットフォームがPCだったんで、PCを持っていないプレイヤーやWebサイトを見られないプレイヤーは存在しなかったのです。だからからゲーム内でなくIRCとかメッセンジャーで会話しながらゲームを進めるのが別に珍しくなかったし、ギルド(プレイヤーの集団)はBBSやサイトを持っていて、連絡や情報交換はそこでされるのが当然だった。

FFXIに移ってきてよく考えたら当たり前なんだけどびっくりしたのが「パソコン持ってない」「インターネットに接続したのはFFXIがはじめて」って人がかなりの数いるってことでした。ネットゲーム=PCを使うゲーム外情報やコミュニティに誰でもアクセスできるもの、というところから頭を切り替えるのにかなり時間がかかりました。

例えば、猫の中の人は裏LSのサイトの管理人ですが、出欠管理一つにしても全員がWebにアクセスできる前提なら、「○日までに出欠表に記入すること」っていうルールを作っておけば事足りる。あるいは連絡事項はサイトに載せておくから、「週1回は必ずサイトを各自確認してください」というルールを作って守ってもらえば十分なはずです。

でも「PCもってない」「ケータイでもサイトは見れない」という人が実際にいるので、LSのルールとしてはそれではダメで(なぜならLSメンバーを募集する時に「サイトを自分で見れること」という条件は課していないから)仕組みとしてはWebサイトに頼らないやり方を考えなくちゃいけません。

(正確には、PS2でもブラウザは使えますが、パソコンを普段使ってない人に「『ネットワーク設定』」を選択してhogehogeするとブラウザの画面が開く、といっても無理だと思うので、実際には無いのと同じだと思う)

そう考えるとFFXIのプレイヤーが誰でも使えるプラットフォームってPOLとFFXIそのものしかないんで、その中でできることを考えるしかないんですよね。で、その範疇で使えるものって現状ではフレンドリストとPOLメールぐらいしかないんですが、両方とも基本は一対一でやりとりされるメッセージサービスなんで、ある程度蓄積してグループで情報共有することには向いていません。

「POLに接続さえできれば利用できる掲示板」ができれば、この点を解消する一つの手段になるのはすごくいいと思うのですが、いったいどうなんだろう。もちろん例に挙げたような用途に実際に使えるかどうかには「メンバー外の閲覧を制限できるか」などいくつかのハードルがありますが、少なくとも何もなかった今までに比べれば格段の進歩だと思います。

逆に、パソコンでしか使えないなら、LSメンバーリストはせのべやさんの定番のものが広く普及してますし、掲示板もASPサービスやCGIでいろいろいいものが選べるし、何で今更公式でやるのかという感じです。むしろそんなサービスは公式ではやるべきじゃないと思う。

デジタルデバイドという言葉があります。パソコンやインターネットを利用できないことで、情報から取り残される人々が出てくることで、リアルの世界では例えば「インターネットの普及で企業からの情報提供がインターネットに重点を置くようになり、パソコンを持たない消費者の知る権利が阻害されている」「行政の電子化が進むとパソコンを持つ人と持たない人で受けられる行政サービスが不公平になる」といった点などがだんだんと問題になりつつあります。

今のヴァナ・ディールにも、(プレイ環境が何であれ)PCを使えるプレイヤーと使えないプレイヤーの間に既にデジタルデバイドは存在しています。コンシューマーゲーム機とパソコンで情報に対するアクセシビリティが全く異なるのは元の用途が違うのだからあたりまえです。

ゲーム外の、公式ではない情報やサービスであれば、提供者ができる方法で、可能なプラットフォームで提供すればいいし、利用者も自分の環境に合わせて利用できるものは利用すればいい。デジタルデバイドが存在しても、それは個々のプレイヤーが「全ての人が自分と同じ量の情報にアクセスできるわけではない」ということを頭に置いて行動すればいいという、心がけの問題です。

ですが、公式に提供されるサービスであれば、話は別です。クロスプラットフォームでサービスを提供している以上、公式に提供されるサービスはたとえゲーム外のサービスであってもクロスプラットフォームで利用できて当然ではないかと思うのですよ。またそれこそが、公式でしかできないサービスだと思うのですがね。

もちろん提供しても意味がないもののは提供しなくてもいいと思います。例えば現在の公式サイトにある「コミュニティサイトリンク集」なんてのは、リンク先のサイトがPS2で閲覧するようにできていないのだから、提供しても意味はないと思うし、PS2から閲覧できなくても問題ないと思います。

でもこのリンクシェルコミュニティは「プレイヤー間のコミュニケーションツール」っていう、ゲームの根幹に関わるものです。クロスプラットフォームをうたっているゲームで、メーカーが動作保証している環境を用意して、同じプレイ料金を払ってるプレイヤーに、ゲーム内に存在するコミュニティへの参加ができるツールが用意されないっていうのはサービスとしておかしくないですか。

せっかく開設したリンクシェルコミュニティサービスも、もしもパソコンでしか利用できないというものになってしまうと、すでにヴァナ・ディールの中に存在するデジタルデバイドを運営サイドが解消するどころかさらに悪化させる結果になると危惧しているのですが、実際のところはどうなんでしょう。杞憂に終わってくれればいいんですけどね。

ていうかね、■eの担当者には、サービスのリリースをするなら、「どのプラットフォームで使えるか」なんて基本情報は明記しておけよといいたい。1回ちゃんと「リリースの書き方」を教育してやりたいわ、全く。

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